2016.06.14
浴衣でお出掛けの時、気を付けたいのが鼻緒擦れ。「草履や下駄を履いて痛くなるところは?」と聞かれてすぐに思い浮かぶのは親指と人差し指の股(鼻緒の「ツボ」と呼ばれる部分)ですが、実はツボ部分ではなく、足の甲にあたる鼻緒部分が水ぶくれになる事もあります。浴衣の場合は、クッションの役割をする足袋を履かずに素足に直接下駄を履く事が多いので、鼻緒と足の甲が擦れてしまうのですね。擦れた摩擦で熱を帯び、軽い火傷のようになってしまいます。特に鼻緒が細かったり固かったりすると危険度UP。
こちらは昨年購入した下駄。
鼻緒のツボが中央より少し内側についています。そして、足が乗せやすいように表面に凹凸があります。
従来の下駄と比べてみるとこんな感じ。写真左の下駄は、今から30年くらい前に買いました。足を乗せる部分がフラットで、ツボは中央についています。鼻緒の太さも随分違いますね。触ってみると、固さも全然違います。
横から見た感じも全然違うんですよ。
新しい方の下駄(写真右)は、かかとが少し高くなっています。履きやすいように色んな工夫がされているんですね。
でも、下駄を甘く見てはいけませんよ〜。花火大会などは大抵会場が最寄り駅から離れているので、ここまで工夫がされている下駄でも、長時間歩くと鼻緒擦れする事もあります。下駄を購入したら、鼻緒やツボをグイグイ伸ばしたり揉んだりして柔らかくしてあげましょう。お出掛けまで日にちがあるのでしたら、室内で履いて慣らしておくと、より鼻緒が柔らかくなり足にもフィットし、歩き慣れるので良い事だらけ♪ マンションなどの集合住宅にお住まいの方は、下のお部屋の騒音にならないように、ベランダ履きの代わりにして慣らすのも手ですね。
日にちがない場合は、あらかじめ、鼻緒があたる足部分に絆創膏を貼っておくと予防になります。そして、替えの絆創膏を持って行くのをお忘れなく。
余談ですが、「浴衣には、黒塗りの下駄と木の色をした桐の下駄のどちらが良いのですか?」と聞かれる事があります。どちらでも良いのですよ。ただ、個人的には、浴衣は夕方から夜にかけてに着る事が多いので、夜、黒塗りの下駄の上に白い足がポッと乗っているとかわいいなぁ、と思います。昼は桐の下駄、夜は黒塗りの下駄という風に時間帯で履き分けている方もいらっしゃいます。
写真の昨年購入した鳥が描かれている桐の下駄は、特に昼夜を気にせず、紬などのカジュアルなきものの時に、足袋付きで履いています。
※オマケ
私の名前、美登里(みとり)と言います。「みどり」ではなく「みとり」。写真の下駄、ツボが緑色でかかとに鳥が描かれているのが一目で気に入り、購入しました。「皆さん、私の事をみどり(緑)と呼ぶけど、本当はみとり(み鳥)なのよ〜」って♪