2015.06.07
アッという間に6月も1週間が過ぎました。単衣の季節ですね。この時期、よく質問されるのが、着物の衣替えについて。
10月から翌年の5月までは裏地をつけて袷に仕立てたきものを着ますが、6月〜9月は、裏地をつけないで単衣仕立てにします。そして更に、6月〜9月の間の7,8月は薄物を着ます。薄物も裏地をつけずに単衣仕立てにしますので、つまり6月〜9月は単衣の着物ということ。では、6,9月に着る単衣のきものと7,8月に着る「薄物」と言われる単衣のきものは何が違うの??というご質問。
一言で言うと布地の違い。7,8月の真夏は、肌触りが良かったり、風通しの良い目の粗い透ける布地で仕立てます。つまり、いかに涼しくできるかを追求して作られた布地を使用しますので、ハナっから裏地をつけて仕立てる事は想定していません(例外として紗袷という特殊な着物もありますが)。
が「袷を着るには暑いけど、薄物にはまだ少し涼しいわ〜」という6月や、「だいぶ涼しくなってきたけど、袷を着るにはまだ少し暑いわ〜」という9月はどうしましょ? そうだ!!袷の裏地を外しちゃえば良いんだわ♪
と言う事で6,9月に着る単衣のきものは、お店で「裏地をつけて袷仕立てにできますよ」と売られている反物を、あえて裏地をつけないで単衣に仕立てたきものですね。なので、世の中には、同じ色柄のきものを袷で着ている人もいれば単衣で着ている人もいるって事。だけど、7,8月に着るきものを袷で着ている人はいないはず。
では、6,9月の単衣のきもの。6月と9月、全く同じコーディネイトで良いの?
おしゃれさんは季節の先取りを、ってよく言われますよね。なので、これから暑くなる6月の単衣には、少し早めに、着物以外の帯や小物類を夏物にしてしまってもOK。特に長襦袢は、実際問題、夏物にしないと暑いです…。夏物の長襦袢という事は、半衿も夏物。一般的な夏物の半衿は絽↓でしょうか?
でもこの時期、私のお気に入りは楊柳↓の半衿。
シボがあるので、肌にべったり張り付く感じがなく涼しげですし、この半衿なら、少し肌寒く感じる日は、袷用の帯や小物類を合わせても違和感がないですね。袷と薄物をつなぐ間の衿として重宝しています。
そして楊柳の中でも特にお気に入りが、この↓薄ピンクの半衿。
顔もとが華やかになりますし、涼しげな色かなと。
半衿は、きもの全体からするとほんの少ししか見えませんが、お顔のすぐ下にありますので、かなりの大役を果たしてくれています。色によってはお顔が病的に見えたり華やかに見えたり。また、頂き物の着物などで、自分の肌色と合わない着物でも、着物とお顔をつなぐ半衿を工夫する事で着こなせちゃったりします。上の写真はお人形ですので、人間ではあり得ない首の色ですが…