2015.04.01
以前にも着物コーディネイトでご紹介した若草色の塩沢紬で、帯や帯締め、帯揚げを替えてコーディネイト遊びをしてみました。
まずは、以前ご紹介したそのまんまの帯、息子が5歳の時に着た羽織を帯に仕立て直したもの。「織りの着物に染めの帯」という基本通りの組み合わせ。
この帯には、普段はこんな小物を合わせています。
帯締めはグレーと紫の振り分けの平打ち。
帯揚げはブルーと紫の振り分けの綸子。ブルー部分には少し柄が入っています。
半衿はクリーム色。
帯揚げと帯締めをかえて、少し華やかにしてみました。
帯締めはオレンジ。丸組に見えますが、実は四角。洋角という組み方です。
帯揚げは光沢のある若草色の綸子。
ちょっと粋に遊んでみました。
帯留めは水色の三分紐にトルコ石。トルコ石に三分紐を通せるように水色のビーズをつけました。
帯揚げは赤地にグリーンで、梅の花でしょうか?お花が染められている縮緬。お花の中央は絞りになっています。帯揚げの結び方は、一般的な本結びではなく、帯の中に入れ込む形の入組にしました。
半衿は衿合わせをゆったりにして、白い半衿を少なめにシャープに出してみました。
帯も、少し下目に締めて、あえて一巻き目と二巻き目をクロスさせるように巻いてみました。
着物は左右対称の衣服、人間の身体も左右対称。なので、左右対称に着付けるとキチンとした印象になり、あえて左右対称を崩す事で危うさだったり、個性の強さなどが表現できます。
帯留めも斜めにしてみました。
また、差し色として、きものや帯には無い色を入れると個性が強い感じになります。赤い帯揚げ、良い仕事してると思いません?(笑
帯をがらりとかえて、抽象的な柄の紬地の八寸名古屋帯。
「織りの着物(紬などのカジュアルなきもの)に染めの帯、染めの着物(小紋などの柔らか物と言われる着物)に織りの帯」と言われますが、この帯は織りは織りでも紬織りですから、カジュアルな着物に似合います。よそ行きの染めのきものに合わせてしまうと、帯がくだけすぎるように感じます。
最初の帯が「粋なお姐さん風」なら、こちらは「おしゃれなお母さん風」と言ったところでしょうか?
帯締め、帯揚げ、半衿ともにクリーム系でまとめてみました。かなり落ち着いた感じになりますね。
帯締めだけをかえて、若々しく。
最後は、シンプルで素朴な紬の八寸名古屋帯。この帯、私が織りました♪
テーマは春。木々の鮮やかな若葉色の緑の地に、レンゲの紫と菜の花の黄色をイメージして縞模様に織り上げました。
この帯、右から左に巻いていくと前には無地部分が出てきます。またまたグッと落ち着いたムードになり「優しいおばあちゃん風」でしょうか?
帯締め、帯揚げは先ほどと同じです。
帯締めを先ほどの赤い方に替えてみました。きものや帯がシンプルな分だけ、帯締め1本をかえただけでイメージががらりと変わります。
この帯を、先ほどとは逆に左から右に巻いていくと縞柄部分が前に出ます。帯締めと帯揚げをかえて若々しくしてみました。
帯や帯締め、帯揚げをかえただけで随分印象が変わります。さらに着方をかえると雰囲気がガラリと変わりますね。どんな小物をチョイスするかやどんな着方をするかは、その人の好みやセンス、その日の気分によるので、きものは着る人の内面が表れやすい衣服と言えるのではないでしょうか?
※「こんな着物コーディネイト」シリーズの過去記事はこちら