2015.10.13
今年も、恒例の法政大学「三曲会」定期演奏会のお着付けをさせていただきました。
今年は、振袖10名、女袴2名、男性袴7名の計19名のお着付け。
本番前の舞台リハーサルまでにお着付けを終えなければなりません。時間を考えると、1人あたり15分がお着付け時間。15分と言っても、その時間の中には洋服を脱ぐ時間、しまう時間なども含まれます。また、女子の着付けの隣りで男子の着付けをする訳にはいきませんので、タイムロスもあります。
何より心配なのが、事前に持ち物チェックが出来ない事。荷物を開けてみたら、しつけ糸がついたままの着物や、袋に入って値札もついたままの小物類がいっぱい…なんて事もあります。1つ1つ袋から出してタグをとるの、意外に時間がかかるんです。
でも、持ってきていただければ良いですが、忘れ物があったらアウト。なので、大抵のものは代用品を用意してゆきます。帯板、衿芯、枕、紐などは想定の範囲内。あげてしまっても良い厚紙やタオルなどで準備していきます。ですが、時間に追われる作業にあっては、それらの忘れ物も事前に把握できれば時間短縮になります。
これらの事を考え合わせ、今年は、私を含め3人で行きました。
1人はウチの卒業生で、1人で着物を着せられます。
もう1人は、着付け勉強中のヘアメイクさん。まだ1人でお着付けはできませんが、持ち物出しや着付けのヘルプ、タイムロスのないように効率的に着付け待ちの学生さんを呼んでもらうなど、勉強になることはたくさんありますので、現場に慣れてもらうために来てもらいました。
という事で、お着付け開始前の下準備がすごく大事。で、当日は、お着付け開始の40分前に伺いました。
楽屋には、ずらりとスーツケースが。
スーツケースには各自の名前を書いてもらっています。
その名前と出演時間を照らし合わせながら着付けてゆきますので、順番通りに持ち物を出しながらの点検。他の人の持ち物と混ざらないように、かなり神経を使います。
今年は忘れ物もほとんど無し。補整用のタオルも、ほとんどの方が持ってきてくださっていました。タオル、結構持ってこない方がいらっしゃるんですよ、「私、太ってるからいらないと思って…」って。でも若いぽっちゃりさんは、タオルがあった方が良い場合が多いです。
2人で着せた方が効率的な場面では2人着せ。
状況によってですが、帯は前と後ろで2人着せの方が早い場合があります。
何とか時間前に着せ終わりました〜♪
2人とも頑張ってくれました!
1年生のほとんどは、きものを着るのも初めてなら演奏会も初めて。
お着付けをしながら、楽器は何?(お琴、お三味線、尺八)とお聞きしながら、演奏しやすいように着付けてゆきます。皆さんにとって1番大切な事はきちんと演奏できる事であって、綺麗な着物姿は2番目ですから。
デビューをとっても心配そうにしていた1年生に、着付け後、「舞台で演奏するみたいにやってみて」とお願いすると、彼女は正座で尺八を演奏するまねを。
正座したとたん、「え〜〜〜!?正座になると全然お腹に力が入らない〜〜」
やってみないと分からないものですね。本番同様のリハーサルはやっぱり大事。