2016.08.27
5年前、東北を襲った大地震。
津波や原発による壊滅的な被害で、私が住んでいる神奈川県近郊にも、多くの方が避難してきました。
がれきの中から見つけ出した泥だらけのアルバムを、嬉しさと悔しさをにじませながら見つめる姿をニュースの映像で見て、何か私に出来る事はないか?と考えていました。
仕事柄、成人式や七五三といった記念の日のお支度をさせていただく事があります。皆さん、この日を無事に迎えられた喜びで輝いています。震災により、そんな大切な記念写真も無くされた方がたくさんいらっしゃるでしょう。そんな方々に、記念写真の撮り直しをして差し上げたいと思い「新たな思い出のアルバムを被災者へ」というボランティア活動をはじめました。
もちろん、私1人の力では何もできません。かと言って、たいした人脈がある訳でもありませんでしたが、お稽古にきてくださっていた美容師さん2人が「やりましょう!」と力になってくれ、その後、SNSなどを通じて、フォトグラファーさんやヘアメイクさん、着物類一式を貸してくださるきものレンタル会社様、アルバムを寄付してくださる企業様などたくさんの方々が手を挙げてくださいました。みんな、自分たちで出来る事があれば何かをやりたかったのです。
そうしてはじまった、ボランティア活動。
神奈川近郊で避難生活を送っている方々に、綺麗にヘアメイクし、着物を着付け、写真に撮り、出来上がった写真をアルバムの1ページ目に張ってお届けしました。「2ページ目からも素敵な笑顔の写真で埋め尽くせるよう頑張ろう!」と思っていただける事を願って。
あれから5年。
いまだ避難生活を余儀なくされている方々もいらっしゃいます。5年という月日は長いですね。みなさんそれなりに、今の暮らしにも慣れ、私たちの記憶からも薄れてきているように思います。が、どこまでいっても当事者にとっては避難生活。安住の地ではないんですね。その事を忘れたらいけないな、と思うのです。
だから5年目の今年、避難地ではありますが節目の年を迎えられた事を記念して「5年目の笑顔をゆかた姿で」と題し、再び撮影会をすることにしました。
「いまさら、もういいよ」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。でも私は(私たちは)「忘れたわけじゃないよ、気になっているんだよ」というメッセージを届けたいと思いました。
いよいよ明日、八王子市社会福祉協議会様のご協力の元、八王子で撮影会を行ないます。
前回、生まれたばかりの赤ちゃんと一緒にお宮参り風の写真を撮られた方、今回は、その赤ちゃんも4歳近く、ママのお腹には新たな命が。赤ちゃんだった女の子はもうすぐお姉ちゃんになります。このお子さんたちは、純粋な八王子っ子です。震災がなければ、パパママのふるさとで大きくなっていたでしょうに、お子さんたちのふるさとは八王子になるのでしょう。
あるいは、前回7歳祝いの撮り直しをさせていただいたお嬢ちゃんは、来年中学生。身長ものびて、大人の浴衣で大丈夫の様です。
月日が経つのは本当に早いですね。
何はともあれ、再会が楽しみです♪
明日の撮影会が楽しい時間になりますように!