2015.06.14
夏は暑い! に決まってる。
だったら、涼しくなる工夫をしましょ♪
単衣のこの時期あたりから、夏の涼しげアイテムの一つとして扇子を帯に挿んでいます。
と言っても、私は首から上にはあまり汗をかかないので、実際に扇子を取り出して扇ぐことは滅多にないのですが。どうやら訓練で、首から上に汗をかかなく出来るみたいですよ。私、この仕事をし始めの頃「絶対に、首から上に汗をかかない!!」と固く決意して着物をきていたらかかなくなりましたから。
ではなぜ、帯に挿んでいるのかと言いますと、周りの皆さんへのサービスとでも言いましょうか、着物は夏でも長袖のロング丈なので、やはり暑そうに写ります。なので、涼しげな小物を添える事で着物姿を見てくださった方々に少しでも涼を感じて頂けたらと。以前は、懐中時計につける根付けを夏らしい物にして涼しさを表現していましたが、今では懐中時計がスマホに取ってかわられ。そしてそのスマホには根付けがつけられず…そんな風に文明が進化する中にあっても、夏の小道具としての扇子はいまだ健在。
と言う事で、夏の必需品にもかかわらず、閉じられたままで滅多に日の目をみることのない扇子の柄をご紹介。
閉じるとこんな感じ。閉じた時の表情も様々で面白いですね。
扇袋に入れてしまうと、扇子は全く見えなくなってしまいます。扇袋に入れずに直接帯に挿んでも、帯からは扇子の上4〜5センチくらいが見えるだけ。
ほんの少ししか見えないけれど、良い仕事をしてくれているんですよ、してくれているからこそ、だんだん可哀想になってきました…出番が少ないのに健気に頑張ってくれている扇子たち…。
滅多に帯から出すことのない扇子ですが、たま〜に出します。汗だくで頑張っているどなたかを扇いで差し上げる時。この扇子の出し方1つで、着物女子の素敵度が上がります。
右利きの方、扇子は帯の左側に挿してくださいね。そして右手で扇子を取り出します。ここ、ポイント。自分の身についた物を動かす仕草の時、美しい所作の法則に「クロス(×)の法則」(高橋が勝手に命名)があります。つまり、左の物は右手で、右の物は左手でと言う事。たとえばおくれ毛を耳にかける時、右手で右耳にかけるより、左手で右耳にかける方が100倍色っぽいです。はい、鏡の前でやってみて(笑
そして、なぜクロス(×)の仕草は美しく見えるのか、研究してみてください♪
帯から出した扇子は、左手を添えて広げましょう。間違っても、片手で一気にパン!と音を立てて広げないようにね〜。