2015.03.08
明後日、出張着付けをお願いしたいのですが…
随分急なご依頼です。お話しを伺えば、喪服との事、納得しました。
お客様のご自宅に伺い、お着付けのためリビングに案内されました。そこには、小さな祭壇があり、千羽鶴とたくさんの可愛い封筒に入ったお手紙が。夕方には、その祭壇にお骨が置かれるのでしょう。
そして、リビングの奥には勉強机。私はすぐに、亡くなったのは小学生くらいのお子様(おそらくお嬢様)だとわかりました。胸が締めつけられる思いです。
私は、この方に何をして差し上げられるだろう?と、考えた時、やはり、綺麗に着物をお着せする事。天国に向かうお子様が「私のママは、やっぱり最高にカッコイイよ!」と言ってくれるように。
でも、その事には触れずに、他愛もない世間話などをしながらお着付けさせていただきました。聞いたら、泣いてしまいそうだったから。
お着付けが終わり、最後に「お子様ですか?」と伺ったところ、「はい」と。私は、まだお骨の置かれていない祭壇に手を合わさせていただきました。
おいとまする時、玄関で深々とお辞儀をしてくださったママの姿に、お子様への深い愛情を感じました。