2014.11.17
群馬県桐生市に着物の産地研修に行ってきました。朝8時に集合し、バスの窓から山々の紅葉や富士山など眺めながら、ちょっとした観光気分♪
桐生織物の歴史は大変古く、1300年ほど前の奈良時代に、全国で初めて、絹を織って朝廷に献上したのだそうですよ。また、桐生は、他国に比べて比較的自由に織物を生産できるお国柄だったようで、京都西陣の技術を取り入れたり、八丁撚糸機を開発したり、明治10年にはいち早くジャガード機を輸入したりと様々な技術革新をおこなってきました。
さて、最初に伺ったのは泉織物さん。
↓染色場には色とりどりの絹糸が干してあって、きれいでしたよ。
桐生の織物は、昔からの変わらぬ技法によってその土地でおこなわれてきた織物ではないので「特徴は?」と聞かれると「一言で答えるのが難しい」とおっしゃっていました。でも、そんな自由な環境だから、様々なアイデアが生まれ、時代に即した面白い物作りができるのでしょうね。
↓こちらは桐生絞りの帯。紬地に大胆な絞り染めがされていて素敵でした。
↓こちらは、絞り染め後、絞った糸を解いている途中の反物です。
次に伺ったのが後藤織物さん。
↓こちらの建物は文化遺産に指定されています。
↓のこぎり屋根の機織り工場。
なぜこのような形の屋根になっているのかと言いますと…
正確な織物の色を見るために、一日中同じ日の光が室内に入るように、屋根の北側部分にたくさん明かり取りの窓が作られているのだそうです。
↓この写真は、建物内部から天井を撮影したものですが、右側面は、一面窓になっています。左側面にも、所々に窓が作られているのですが、場所によっては塞いでしまった所もありました。
↓こちらは八丁撚糸機。
天明3年、岩瀬吉右衛門という方が、水車の水力を利用して回転させる撚糸機を開発しました。この発明により、従来の物とは比べ物にならないほど効率よく良質な糸を生産することができたそうです。ちなみにこの「八丁」という言葉は「口八丁、手八丁」という言葉からつけられたそうですよ。「八丁」とは「達者な」という意味合いですので、上手に多くの糸を撚れるということでしょうね。現在は使われていないそうです。
↓こちら、何かわかりますか?
いちいち桶で井戸水をくみ上げて使っていた時代に作った、画期的な水道システム。上にあるのは水を貯めておくタンク。そしてそのタンクの右下から地面につながっている管は、地下でいくつかに分かれ、水を必要とする場所までつながっています。毎日1回、タンクが満杯になるまで井戸水をくみ上げて使っていたそうです。なるほど〜。