2016.04.14
この衿、な〜んだ?
呉服屋さんで着物を買う時、よく、これを使って反物などを身体に当てますね。衣紋を抜いて半衿をつけた上に反物を当てたら、着物姿がすごくイメージしやすいから。これ、美容衿と言います。美容衿は、呉服屋さんが使う「お見立て専用の小物」と思っている方もいらっしゃるようですが、実はこれ、れっきとした着物グッズ。これを使って長襦袢に出来るんですよ。
まず、最初にこれ↓を着ます。
肌襦袢と裾除けがつながってワンピース状になっています。しかも裾除け可愛い♪
そしてよく見ると、鎖骨とみぞおちに何やら入っています。
これは補整の為のパット。着物は、凹凸の少ないなだらかな身体に似合います。胸があると、胸の上や胸の間に凹みができるので、そこをこのパットで埋め込む訳ですね。さらし部分の裏側にポケットが付いていて、そのポケットの中にパットを入れて着ちゃえば、「着る=補整」になっちゃいます。
そして、これ、お袖をよく見るとマジックテープが付いています。写真では3カ所しか見えませんが、本当は4カ所あります。
このマジックテープに、裾とお揃い柄のお袖をつけると…
何とした事でしょう〜!長襦袢っぽくなったではありませんか♪
あれ?長襦袢と呼ぶには何か足りないような…
あ!
ここで、先ほどの美容衿登場〜♪
実は、長襦袢っぽいものの衿には、背の低い衿芯がついていて、それに美容衿をピッタリと添わせると、綺麗に衿が乗ります。
…という訳で、なんちゃって長襦袢の出来上がり♪
この上にきものを着ても、袖口やたもと、裾などの見える部分は長襦袢柄なので、長襦袢にしか見えません。そして、見えない胴体部分は汗を吸い取ってくれる晒素材。美容ランジェリーって言います。
本来名なら、裾除け、肌襦袢、長襦袢の3枚着るところを1枚で済んじゃうので時間短縮になりますし、暑がりさんにはありがたいですね。
だけど、私の1番のおススメポイントは、そこじゃないのです!
これ、洗濯機にポンしてオンすればお洗濯できちゃう〜♪
長襦袢をお洗濯する場合、まず、正絹の長襦袢は家庭でのお洗濯はコツが必要なのでクリーニングに出しちゃう人が多いです。でも、半衿は汚れやすいのでこまめに家庭でお洗濯したい。なので、縫い付けてある半衿をほどいて洗い、乾いたらまた縫い付けます…この作業を考えると、ポンしてオンは魅力的♪あ、でもお袖のマジックテープ部分はタオルにくっついちゃうので、洗濯ネットに入れてね。
でもね、世の中、良いところもあれば、ん〜〜〜??てところもあるもの。この美容ランジェリー、何だかサイボーグっぽくないですか?従来の長襦袢の方が、断然、色っぽいと言いますか、情緒がありますよね。
例えば脱ぐ時。
従来の長襦袢は、伊達締めをとる時にシュッという衣擦れの音がして何とも色っぽい。対して美容ランジェリー、お袖をとる時にはベリベリッというマジックテープの音が…
なので、「脱ぐご予定の時には長襦袢を、そうでない時には美容ランジェリーを」とおススメしています!?
TPO大事♪